2023.09.06

突発性発疹とは? |症状や治療・対応方法を解説

突然、熱が出たあとに発疹が現れたり、まわりで発疹が出る病気がはやっていなかったりすると、何が原因なのかわからず不安になる保護者の方も多いでしょう。

突然発疹が現れたのであれば、それは突発性発疹かもしれません。

本記事では、突発性発疹の概要や治療方法、家庭での対応方法について解説します。

突発性発疹を疑っている保護者の方はもちろん、お子さんが突発性発疹と診断された保護者の方は参考にしてください。

目次

突発性発疹とは?

「突発性発疹(とっぱつせいほっしん)」という病名になじみがない保護者の方もいるかもしれません。

突発性発疹は、乳児期に罹患することが多いウイルスが原因の感染症です。
突然高熱が出るのと前後して、全身に発疹が現れます。

一般的に予後は良好とされており、後遺症や障害が残ることはほとんどありません。

突発性発疹にかかりやすい年齢

突発性発疹にかかりやすい年齢は、生後6~18ヶ月とされています。

その期間は、生まれたときに母親から受け継いだ免疫が弱くなってきやすい時期です。
2~3歳頃までにほとんどの子どもが罹患するとされており、5歳以上でかかることはまれです。

熱や発疹が出ない不顕性感染も全体の20~40%程度あります。

突発性発疹の原因

突発性発疹の原因は、ヒトヘルペスウイルス6型・7型です。
初めて感染するときはヒトヘルペスウイルス6型に感染することが多いとされています。

ヒトヘルペスウイルス7型による症状は、2度目の突発性発疹として現れる傾向にあります。

突発性発疹の感染経路

突発性発疹の感染経路は、まだ詳しくわかっていません。

しかし、すでに突発性発疹を経験したことがある子どもや大人の唾液から、経口感染する可能性が高いのではないかといわれています。

経口感染は、ウイルスを含んだ唾液がヒトヘルペスウイルスの免疫を持たない子どもの口に入ることで起こります。

食べ物の口移しや食器の共用などで感染しやすくなるので、できるだけ避けたほうがよいでしょう。

突発性発疹の潜伏期間

突発性発疹を引き起こすヒトヘルペスウイルス6型・7型の潜伏期間は、約10日です。

突発性発疹の症状

突発性発疹になると、次の症状が現れます。

  • 38~40度程度の高熱(3日程度続く)
  • 発疹(熱が下がるとおなかや背中を中心に、不規則な大きさの発疹が出る)

発疹にかゆみなどはなく、1~2日できれいに跡を残さず消えるのが特徴です。子どもによっては、発熱時に軽い咳や下痢をともなう場合があります。

突発性発疹の合併症

突発性発疹は、発熱初期に熱性けいれんを起こすケースがありますが、一般的に予後は良好な感染症です。

ただし、まれに次のような重篤な合併症を起こすことがあります。

  • 脳炎
  • 脳症
  • 劇症肝炎
  • 血小板減少性紫斑病

突発性発疹の治療方法

突発性発疹には、特効薬がありません。したがって、基本的な治療は対症療法です。
罹患したあと重篤な障害や後遺症が残る疾患でもないため、特に予防も必要ないでしょう。

突然高熱が出て不安になる保護者の方もいるかと思いますが、医師の指示に従って対症療法を行いながら、経過を観察してください。

突発性発疹で緊急性が高くすぐ受診が必要な症状

自宅での経過観察中に次のような症状が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

  • 全身の状態が悪くなった
  • 尿の量が減った・濃くなった
  • 呼吸が苦しそう
  • 呼びかけても反応がなく、ぼんやりとしている
  • 首が硬直して曲げにくい
  • 泣き止まない
  • 耳を痛がる

これらは、重篤な合併症やほかの疾患を疑う症状です。

夕方以降、一般的な診察時間が過ぎている場合は、翌朝の診察開始を待たずに夜間救急などで診察を受けてください。

子どもが突発性発疹にかかった場合の家庭での対応方法

子どもが突発性発疹になった場合、家庭では観察・安静・清潔を心がけて対応しましょう。こまめに熱を測り、全身の状態をよく観察しながら対応することが重要です。

水分補給について

熱が出て汗をかくと、体の中の水分とミネラルが失われて脱水状態になりやすくなります。熱が高いときは、こまめな水分補給を行いましょう。おすすめの飲み物は次のとおりです。

  • 湯ざまし
  • 麦茶
  • 乳幼児用イオン飲料
  • 経口補水液
  • うすめた果汁
  • 野菜スープ

特に、子ども用のイオン飲料や経口補水液は、水分とミネラルを効率よく補えます。積極的に与えるようにしましょう。

食事について

熱が高く食欲がない場合は、消化がよくのど越しのよいものを食べさせましょう。
食べられそうなものを、少しずつ与えてください。

おすすめの食べ物は次のとおりです。

  • おかゆ
  • うどん
  • 市販の離乳食
  • アイスクリーム
  • プリン
  • ゼリー

体力をつけるために濃い目の味つけの物をしっかり食べさせようとする保護者の方もいますが、発熱して体が弱っているときには控えた方がよいといわれています。

特に脂っこい肉・魚・乳製品、繊維の多い根菜類などは避けましょう。

その他気をつけること

発熱しているときは、室内でできるだけ安静に過ごさせましょう。無理に寝かせなくても構いません。子どもが静かに休める環境を整えてあげてください。

また、必要以上に厚着をさせないことも大切です。背中に手を入れて汗ばんでいるようなら服装を調整しましょう。機嫌が悪くなければ、普段と同じ服装で問題ありません。
体を清潔に保つのに入浴は大切ですが、体力の消耗も激しいとされています。

汗をかいたら濡れたタオルで体を拭くなどして、入浴以外の方法で体を清潔に保つと、気持ちよく休めます。シャワー浴ができるタイミングの目安は、熱が下がって機嫌がよくなり、元気が出てきたタイミングです。

突発性発疹は予防できる?

突発性発疹は、一般的に予後も良好な疾患であることから、予防接種などは必要ないとされています。

突発性発疹と似ている子どもの病気

突発性発疹とよく似ている子どもの病気を解説します。いずれも発熱・発疹をともない、疾患によっては重篤な合併症を引き起こすこともあります。

疑わしい症状があればかかりつけの医療機関に相談してみましょう。

  • 手足口病

口の中や手足などに水ぶくれ(水疱)ができる感染症です。コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって引き起こされます。

  • ヘルパンギーナ

6月から初夏にかけて流行することが多い夏風邪です。39度以上の発熱とのどの腫れ・痛みをともない、喉の奥に小さな水ぶくれができるのが特徴です。

  • 麻疹(はしか)

非常に感染力が強い感染症です。発熱・咳・鼻水といった風邪のような症状のほか、39度以上の高熱と発疹をともないます。肺炎や中耳炎、脳炎を合併しやすく、先進国であっても約1,000人に1人が死亡するといわれています。

  • 風疹(三日はしか)

風疹ウイルスによって引き起こされる麻疹によく似た感染症です。

感染すると、発熱や発疹、リンパ節の腫れといった症状が現れます。

  • 水痘(すいとう)

水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症で、「水疱瘡(ぼうそう)」とも呼ばれます。発熱した後にかゆみを伴う水ぶくれができ、かさぶたが残るのが特徴です。

以上の疾患のほとんどは予防接種で防げる感染症です。しかし、まだ予防接種が打てない月齢の子どもの場合、突発性発疹と見分けるのが難しいので、早めに医師の診察を受けて適切に対処しましょう。

突発性発疹に関するよくある質問

突発性発疹に関するよくある質問をまとめました。保護者の方は参考にしてください。

突発性発疹にかかったら登園や登校はどれくらい控えるべきですか?

突発性発疹になったら、熱が下がるまでは登園・登校を控えたほうがよいでしょう。熱が下がって機嫌がよくなれば、発疹が出ていても登園・登校してかまいません。

突発性発疹は1度かかったらもうかかりませんか?

1度突発性発疹にかかると免疫ができるため、再度感染することはないといわれています。しかし、6型・7型それぞれのウイルスに感染することで、2度突発性発疹を経験するケースもあります。

下の子が突発性発疹になりました。小学生の兄弟や保護者にうつりますか?

ほとんどの人は4歳頃までにヒトヘルペスウイルス6型・7型に感染し免疫を獲得します。したがって、4歳以下の子どもから小学生の兄弟・保護者にうつることは非常に稀です。

食欲がありません。無理にでも食べさせた方が良いでしょうか?

2~3日程度は食事を摂らなくても栄養不足になる心配はありません。水分とミネラルをこまめに取らせて、無理に食べさせないようにしましょう。食欲がないのが心配なときは、かかりつけの医療機関に相談することをおすすめします。

突発性発疹は特徴を理解し適切な対応を

突発性発疹は、38度以上の高熱が出て、解熱した後に発疹が現れる病気です。突然のことに驚く保護者の方もいるかと思いますが、予後は良好なのであまり心配する必要はありません。

突発性発疹かもしれないと思ったら、まずはかかりつけの医療機関に相談しましょう。そのうえで、安静・清潔を心がけながら全身の状態をよく観察して対応してください。

監修医師

古東麻悠(ことう・まゆ)

順天堂大学医学部卒業。途上国医療に関心を持ち、学生時代よりアジア・アフリカ各国の保健指導、巡回診療に参画。子どもたちのトータルサポートを目指し、小児科医として働きながらNPO法人very50、NPO法人Ubdobe(現株式会社デジリハ)のメディカルアドバイザーを兼務。現在は都内総合周産期病院にて新生児科医として勤務。一児の母。