2023.07.23

川崎病は治るのか?|代表的な症状や治療方法・後遺症について解説

子どもの発熱の原因として有名な川崎病。「川崎病ってどんな病気?」「かかると完治しないのでは?」「寿命を縮めてしまうの?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか?

川崎病は全身の血管が炎症を起こすことで発熱などの症状を引き起こします。その中でも川崎病性冠動脈瘤は、 国から難病指定されています。もし、症状に気づかなかった場合は後遺症が残る可能性もあるため、症状の早期発見が重要です。

本記事では、川崎病の特徴や治療方法、後遺症について解説します。 正しい知識を身につけ、対処しましょう。

目次

川崎病とは?代表的な症状や罹患しやすい年齢

川崎病は、いまだ原因が明らかになっていない発熱性の病気です。この病名は、1967年に初めてこの症例を報告した川崎富作医師の名前に由来しています。

以下で川崎病について詳しく解説します。

川崎病は血管の炎症が関係している病気

川崎病は、全身の血管の炎症が関係している病気です。

川崎病による血管炎は、ウイルスや細菌の感染により、体の免疫反応が異常に活動することで引き起こされると考えられていますが、明確な原因はまだ特定できていません。

ときに心臓の周り血管に瘤(こぶ)ができる「冠動脈瘤」を発病する場合があります。

川崎病の原因

川崎病の研究は50年以上にわたり行われてきましたが、原因の解明はできていません。

東アジア人に多く、家族間での発病が頻繁であることから、なんらかの遺伝的な要因により、川崎病にかかる可能性が高いと考えられています。

川崎病の代表的な6つの症状

川崎病の主な症状は、6つあります。

  • 発熱
  • 両目の充血
  • 口や唇、喉の紅潮、舌がぶつぶつし赤くなるいちご舌
  • 全身の赤い発疹
  • 手足の腫れ、指先の皮膚がむける
  • 首のリンパ腺の腫れ

上記の6つの症状のうち、5つ以上の症状がみられる場合に川崎病(定型川崎病)と診断されます。また、症状が2つだけ満たしてる場合でも、川崎病(不全型川崎病)として診断されるケースもあります。

川崎病に罹患しやすい年齢

川崎病は、4歳以下の乳幼児に発症しやすく、全体の患者数の約88%が4歳以下です。

最もかかりやすいのは1歳の子どもで、その次に0歳、2歳、3歳、4歳と続きます。

しかし、川崎病は大人も罹患する可能性があります。発症確率は低いものの、年齢問わず注意が必要です。

参考:日本川崎病研究センター「第26回 川崎病全国調査 成績

川崎病の男女比

2020年の罹患者数11,173人のうち、男児が約57%(6,406人)女児が約43%(4,767人)となっており、やや男児の方が罹患しやすい傾向にあります。

それに伴い、冠状動脈瘤を発症するのも男児が多くなっています。

参考:日本川崎病研究センター「第26回 川崎病全国調査 成績

川崎病は治るのか?川崎病の病期や後遺症

川崎病の病期や後遺症について、詳しく見ていきましょう。

川崎病の病期

川崎病には、「急性期」「亜急性期」「回復期」の3つの病期があります。

急性期は、発病から約2週間の間で、発熱や前述した代表的な6つの症状が見られます。

亜急性期は、2週目から4週目の期間を指します。血小板数が増え、冠動脈瘤が現れる場合もあるため注意が必要です。

回復期は発症後の1ヶ月から3ヶ月の間で、すべての検査データが正常に戻ります。冠動脈瘤が現れていた場合は、瘤(こぶ)が消失、または縮小するでしょう。

川崎病は治るのか?

病状として現れる熱は約2週間から1ヶ月で自然に落ち着くことがほとんどです。

しかし、 川崎病の代表的な6つの症状が長引いてしまうと、冠動脈のダメージが増し、後遺症を残す可能性があります。

該当する症状が現れた場合は、早期に医療機関を受診してください。適切な治療を行う必要があります。

早期治療を行えば、重篤な合併症を避け、問題なく日常生活に戻れるでしょう。

川崎病に罹患すると後遺症が残るのか?

川崎病には、冠動脈瘤によって引き起こされる後遺症があります。

前述したとおり、冠動脈瘤は、心臓全体への酸素や栄養の供給を担当している冠動脈に瘤(こぶ)が形成される病気です。心筋梗塞を引き起こすリスクを高めてしまいます。

軽度、中等度であれば、後遺症が残ることはほとんどありません。しかし、重度の症状では、血管が元の形状に戻らず、冠動脈瘤は長期的な後遺症として残ってしまう可能性があります。

適切な治療を行っても、心合併症などの重度の病気を患うケースもあります。

川崎病の治療はどのように行われるのか?

川崎病の治療は、主に免疫グロブリンと呼ばれる抗炎症薬とアスピリン薬の投与を併用して行うのが一般的です。

中でも「大量免疫グロブリン療法」は、標準的な治療法です。早期に適量の免疫グロブリンを投与することで、約80%の患者の症状が緩和され、後遺症を防げます。

免疫グロブリンは、全身の炎症を抑え、冠動脈瘤の形成を防ぐ役割を果たします。副作用が現れるケースはほぼありません。

しかし、まれに投与中にアレルギー反応が起こり、皮疹が出たり血圧が下がったりすることがあります。免疫反応が弱まる可能性もあるため、使用後は予防接種を約6ヶ月避けるようにしてください。

アスピリン療法は、アスピリンという薬を使って治療する方法です。

アスピリンは、血管の炎症を軽減し、血栓(血液が固まって塊になる状態)の形成を防ぐ効果があります。病状が軽度であれば、十分な効果が得られるケースもあります。

川崎病は、医師の指導のもと、適切な治療を受けることが重要です。

川崎病に関するよくある質問

川崎病に関する、よくある質問をまとめました。参考にしてみてください。

川崎病は人にうつる病気ですか?

感染する病気だとは考えられていません。

体の免疫反応が異常に活動することで引き起こされると考えられていますが、明確な原因はまだ特定できていません。

川崎病に罹患すると、なんらかの食事制限がありますか?

川崎病の罹患者に特別な食事制限は必要ありません。

しかし、冠動脈瘤治療でワルファリンを服用する場合、ビタミンKが豊富な食事は避けるべきです。詳しくは医師や栄養士に相談してください。

川崎病に罹患すると寿命は縮みますか?

川崎病に罹患すると寿命が縮まるというデータはありません。

川崎病に罹患するとスポーツができなくなってしまうのですか?

病状が改善すれば、特別な運動制限は必要ありません。

しかし、医師の指示に従って定期的な診察を続け、心臓の健康状態を確認し続けることが重要です。

川崎病の治療に対して、政府や自治体から援助金は出ますか?

後遺症が残ってしまい定期的な医療受診が必要となる場合、「小児慢性特定疾患の助成制度」を利用できます。

該当する疾患や制度内容は都道府県により異なるため、詳細については担当医や医療機関の医療福祉相談窓口へ相談をしてください。

川崎病は神奈川県川崎市で流行している病気なのですか?

川崎富作医師がはじめて報告した病気であるため川崎病と呼ばれています。

神奈川県川崎市とは、なんの関係もありません。

川崎病が治るかどうかの鍵を握るのは早期の受診

川崎病は、4歳以下の子どもに発症しやすい血管炎です。

冠動脈瘤と呼ばれる、心臓全体への酸素や栄養の供給を担当している冠動脈に瘤(こぶ)が形成される合併症を発症する可能性もあります。

川崎病の症状は、下記の6つです。

  • 発熱
  • 両目の充血
  •  口や唇、喉の紅潮、舌がぶつぶつし赤くなるいちご舌
  •  全身の赤い発疹
  • 手足の腫れ、指先の皮膚がむける
  • 首のリンパ腺の腫れ

上記の6つの症状のうち、5つ以上の症状がみられる場合に川崎病(定型川崎病)と診断されます。

また、症状が2つだけ満たしてる場合でも、川崎病(不全型川崎病)として診断されるケースもあります。

川崎病は、早期に治療することで、約80%の患者の症状が緩和され、後遺症を防ぎます。子どもに川崎病のような症状がみられる場合、すぐに医療機関に受診しましょう。

監修医師

古東麻悠(ことう・まゆ)

順天堂大学医学部卒業。途上国医療に関心を持ち、学生時代よりアジア・アフリカ各国の保健指導、巡回診療に参画。子どもたちのトータルサポートを目指し、小児科医として働きながらNPO法人very50、NPO法人Ubdobe(現株式会社デジリハ)のメディカルアドバイザーを兼務。現在は都内総合周産期病院にて新生児科医として勤務。一児の母。