2023.11.06

子どもが嘔吐するときは|おすすめの食べ物・食べ方と注意点を解説

子どもに嘔吐の症状が見られると、どのような食事をとらせるべきか迷ってしまいます。

嘔吐の際は、適切な食事や水分補給が大切です。

本記事では、子どもが嘔吐するときの食事方法を解説します。

おすすめの食事や、避けるべき食事も紹介しているので、参考にしてみてください。

目次

子どもが嘔吐してしまったときの食事のポイント

子どもが嘔吐してしまったあとに、すぐに食事を与えてもまた吐いてしまいます。

嘔吐してから1〜2時間は、食事を控えてください。

食事は無理に与えず、まずは水分補給から始めましょう。

次章で水分補給のポイントを解説します。

子どもが嘔吐するときの水分補給のポイント

嘔吐による脱水症状を防ぐために、水分補給が重要です。

吐いているときと、吐き気がおさまったあとの水分補給のポイントを解説します。

吐いているとき

吐いているときは、水分補給を控えましょう。

嘔吐時は、胃が物を受け付けていない状況なので、水分をとっても再度吐いてしまいます。

子どもがどうしても水分を欲しがる場合は、ティースプーン1杯ほどの少量にとどめてください。

吐き気がおさまったあと

嘔吐後、30〜60分程度の時間を空けてから、少量の水分を与えてみましょう。

水分補給は、「水分」「塩分」「糖分」の3つが補給できる「経口補水液」がおすすめです。

始めは、ティースプーンなどで少量の水分を​​約10分おきにとりましょう。再度嘔吐がなければ、徐々に飲み物の量を増やしてください。

子どもの吐き気がおさまったあとにおすすめの食事

子どもの吐き気がおさまったら、少量ずつ食事を与えましょう。

以下のような、胃の負担を減らした食べ物を意識してください。

・おかゆ
・うどん
・パンがゆ
・じゃがいも
・白身魚
・鶏ささみ
・野菜スープ
・豆腐
・リンゴ
・バナナ

母乳を与える際は、少量を頻繁に与えてください。

子どもが嘔吐するときに避けたい食事

胃腸への負担を考えると、脂肪分や繊維質の多い物、冷たい食品は避けたほうがよいでしょう。

以下に該当する食品をリストアップします。

・そば
・繊維質が多い野菜(ごぼう、セロリ、れんこん、たけのこ、コーンなど)
・きのこ類
・海藻類
・みかん、梨、柿、いちご
・ドライフルーツ
・ラーメン、スパゲッティ、カレー、グラタン
・ベーコン、ウインナー
・さんま、さば、まぐろ
・魚卵(たらこ、いくらなど)
・油類(ドレッシングなど)
・揚げ物
・ヨーグルト、アイスクリーム
・スナック菓子、炭酸飲料

胃腸が落ち着くまでは、これらの食品は避け、消化しやすい食品を選んでください。

子どもが吐いてしまうときの注意点

子どもが吐いてしまうときの注意点は、以下の通りです。

  • 脱水症状にならないように気を付ける
  • 症状がひどいときは入浴を避ける
  • 下痢を起こすことがある
  • 楽な服を着せる
  • 顔を横向きにして寝かせる

脱水症状にならないように気を付ける

嘔吐が続くと、脱水症状になることがあります。

ぐったりしている、唇や舌が乾いている、尿が減っているなどの症状がある場合、脱水症状が進んでいるかもしれません。

繰り返しになりますが、適切な水分補給を行ってください。

一度に大量の水分をとらせ、再度嘔吐を引き起こせば逆効果になります。

少量ずつ、頻繁に水分補給を行うことが重要です。

経口補水液で水分補給をおすすめします。

症状がひどいときは入浴を避ける

嘔吐で水分がとれない、症状がひどく元気がない場合は、入浴を控えましょう。

入浴による体力の消耗や、脱水症状を悪化させる可能性があります。

脱水の様子が見られず、症状がひどくなければ、入浴できるでしょう。

入浴をするときは、家族の中で最後に入浴することをおすすめします。

タオルの共有を避けることで、感染症の予防にもつながります。

下痢を起こすことがある

嘔吐のあとに下痢を伴うことはよくあります。

この場合、お尻の皮膚が荒れてしまうケースがあるので、都度洗い流し清潔に保ちましょう。

下痢でも水分が失われるため、適切な水分補給を忘れないようにしましょう。

そして、嘔吐の症状が落ち着いてきたら、消化によい食事を少量ずつとらせてください。

楽な服を着せる

嘔吐の症状があるときは、締め付けの強い服装は避け、楽な服を選びましょう。

衣類が汚れた場合は、臭いにおいを残さないよう、すぐに着替えてください。

汚れても洗いやすい、または着替えやすい服装がおすすめです。

顔を横向きにして寝かせる

寝かせる場合は、嘔吐物が気管に入らないようにするために、顔を横向きにして寝かせてあげましょう

吐き気が予測できない場合は、体の上部を少し起こした状態で寝かせ、顔を横向きに寝かせるようにしてください。

よくある質問

子どもが嘔吐した際の食事について、よくある質問を紹介します。

  • 子どもが嘔吐したら、いつから食事をとっていい?
  • 子どもの胃に優しい食べ物は?
  • 子どもが吐いたあとの水分補給は?

子どもが嘔吐したら、いつから食事をとっていい?

嘔吐をしてから、1〜2時間ほど時間を開けてから食事をとりましょう。

再度吐いてしまう場合は、水分補給を優先して、症状が落ち着いてから食事をとり始めてください。

子どもの胃に優しい食べ物は?

胃の負担を減らし、消化のよい食べ物は以下の通りです。

おかゆ
・うどん
・パンがゆ
・じゃがいも
・白身魚
・鶏ささみ
・野菜スープ
・豆腐
・リンゴ
・バナナ

子どもが吐いたあとの水分補給は?

吐いた直後は、水分補給を避け30〜60分程度の時間を空けましょう。

ティースプーンなどで少量ずつ10分程度おきに与え、再度嘔吐がなければ量を増やして水分を与えてください。

まとめ

嘔吐後は1〜2時間は食事を控え、まずは適切な水分補給を心掛けてください。

嘔吐が続くと脱水症状を引き起こす可能性があるため、経口補水液での水分補給がおすすめです。

嘔吐が落ち着いたら、ティースプーンなどで少量の水分を​​約10分おきにとり始め、再度嘔吐がなければ、徐々に量を増やしてください。

そのあと、胃に負担をかけない食事を少量ずつ与えます。

監修医師

古東麻悠(ことう・まゆ)

順天堂大学医学部卒業。途上国医療に関心を持ち、学生時代よりアジア・アフリカ各国の保健指導、巡回診療に参画。子どもたちのトータルサポートを目指し、小児科医として働きながらNPO法人very50、NPO法人Ubdobe(現株式会社デジリハ)のメディカルアドバイザーを兼務。現在は都内総合周産期病院にて新生児科医として勤務。一児の母。