肺炎球菌ワクチンについて
肺炎球菌ワクチンによって、肺炎や髄膜炎などの重篤な疾患の予防ができます。生後2か月から初回の接種を行い、一定期間を経て追加の接種を行います。
2024年10月1日から定期接種の小児用肺炎球菌ワクチンが、15価肺炎球菌ワクチン(バクニュバンス15)から20価肺炎球菌ワクチン (プレベナー20) に変更になりました。
すでに15価肺炎球菌ワクチンを接種した方で残り回数がある場合は、同じ15価肺炎球菌ワクチンでの接種になります。
ワクチンで予防できる疾病
肺炎球菌感染症
疾病について/ワクチン接種の効果
肺炎球菌感染症とは?
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によっておこる病気です。
この菌は、集団生活が始まるとほとんどの子どもが持っているといわれるもので、主に気道の分泌物により感染を起こします。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、肺炎や中耳炎、髄膜炎などの重い合併症を起こすことがあります。
特に、髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、10%に難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すといわれています。
また、小さい子どもほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。
<ワクチン接種の効果>
肺炎球菌には、90以上の種類があります。
15価肺炎球菌ワクチン(PCV15)はそのうち15種類、20価肺炎球菌ワクチン (PCV20)は20種類の肺炎球菌に対して予防効果があります。
小児の肺炎球菌による侵襲性肺炎球菌感染症*は、肺炎球菌ワクチンの定期接種等が実施される以前の2008~2010年は10万人(5歳未満)あたり約24-26人が罹患していましたが、2022年には、約4.8人と、約8割の患者数の減少がみられています。
*侵襲性感染症とは、本来は菌が存在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される感染症のことです。
参考サイト:厚生労働省ホームページ
ワクチン接種のスケジュール
接種対象:2ヵ月齢以上6歳未満
接種回数:標準4回(初回接種3回、追加接種1回)
ワクチンを接種することにより、重篤な疾患の予防ができます。
スケジュール通り進められなくても、ご調整いたしますのでお気軽にご相談ください。
ワクチン接種後の副反応
稀に起こる重い副反応として「アナフィラキシー」があります。接種後30分以内に起こることが多いです。
その他、接種部分に赤みや腫れ・しこりができることがあります。腫れは、回数を重ねる毎に少し増えることもありますが、ほとんどの場合は深刻な問題にはなりません。
稀に腕全体が腫れることがあります。その時はかかりつけ医を受診してください。
各種ワクチン接種後のご注意
・ワクチン接種後30分程度は、医療機関内もしくはすぐ近くでお子さまの様子を観察しましょう。この間に急な副反応(アナフィラキシーなど)が起こることが稀にあります。そのため、時間に余裕がある時の接種が望ましいです。
・ワクチン接種後、当日は運動を控えましょう。
・発熱がなく、普段と変わらない様子であれば、お風呂はいつも通りに入れます。