インフルエンザワクチンについて

インフルエンザが流行する期間は、日本では例年12月〜3月頃です。

インフルエンザワクチンを接種してから、効果が出るには約2週間かかるとされています。そのため、流行が始まる前の10月頃から接種を開始し、遅くとも12月中旬までには接種を完了するのが望ましいです。

ワクチンで予防できる疾病

インフルエンザ

疾病について/ワクチン接種の効果

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる病気です。
38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状もみられます。お子様ではまれに急性脳症を、ご高齢の方や免疫力の低下している方では二次性の肺炎を伴う等、重症になることがあります。
季節性インフルエンザは流行性があり、いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。

<感染ルート>

インフルエンザウイルスの飛沫感染(感染者のくしゃみや会話中に飛び散る唾液のしぶきを吸い込むこと)により、口や鼻から感染することがあります。
また、接触感染(感染者が触ったものに触れるなど)も生じるといわれています。
1〜4日ほどの潜伏期間を経て症状が現れます。

<ワクチン接種の効果>

6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています*

現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからないというものではありません。しかし、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。

また、インフルエンザウイルスは毎年異なる型が流行します。そのため、感染してもワクチンを接種しても一生続く免疫を得ることはできません。予防をするためには毎シーズン、ワクチンを接種することが必要です。

* 平成28年度 厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「ワクチンの有効性・安全性評価とVPD(vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究(研究代表者:廣田良夫(保健医療経営大学))」

ワクチン接種後の副反応

稀に起こる重い副反応として「アナフィラキシー」があります。接種後30分以内に起こることが多いため、お時間に余裕のある時の接種が望ましいです。

その他、接種部分に赤みや腫れ・しこりができることがあります。腫れは、回数を重ねる毎に少し増えることもありますが、ほとんどの場合は深刻な問題にはなりません。
稀に腕全体が腫れることがあります。その時はかかりつけ医を受診してください。

各種ワクチン接種後のご注意

・ワクチン接種後30分程度は、医療機関内もしくはすぐ近くでお子さまの様子を観察しましょう。この間に急な副反応(アナフィラキシーなど)が起こることが稀にあります。

・ワクチン接種後、当日は運動を控えましょう。

・発熱がなく、普段と変わらない様子であれば、お風呂はいつも通りに入れます。

痛くない!経鼻インフルエンザワクチン[フルミスト]

フルミストは鼻の中にスプレーするだけなので、注射のような痛みはありません。

インフルエンザウイルスを弱毒化した生ワクチンで、接種後に体の中で増えたワクチンウイルスに対する免疫ができ、インフルエンザウイルスの感染を予防します。

[フルミスト]の特徴・効果

・2024年10月に発売開始された、鼻の中にスプレーする生ワクチンです。
・鼻の中へスプレーするだけなので注射のような痛みがありません。
・2〜18歳が対象で、1回の接種で完了します。
・高い予防効果が期待でき、重症化も防ぎます。

[フルミスト]接種による副作用・副反応

・10%以上(鼻閉・鼻漏(59.2%)、咳嗽、口腔咽頭痛、頭痛)
・1~10%未満(鼻咽頭痛、食欲減退、下痢、腹痛、発熱、活動性低下、疲労、無力症、筋肉痛、インフルエンザ)
・1%未満(発疹、鼻出血、胃腸炎、中耳炎)

ワクチン接種の接種回数

注射タイプの場合、小さなお子様は1回の接種では十分な免疫が得られないため、生後6カ月から13歳未満までは2回の接種が推奨されています。2回目の接種から約2週間経過すると、重症化を予防するための免疫がつくとされています。13歳以上の接種回数は通常1回のみです。

鼻の中にスプレーするタイプの[フルミスト]の場合は、2〜18歳が対象で、1回の接種で完了します。

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