BCGワクチンについて
BCGワクチンによって、結核による重篤な感染症の予防ができます。
2012年まで、BCGワクチンの接種は生後6か月に至るまでに接種することとなっていましたが、2013年度以降は生後1歳になるまでの間に接種することに変更されました。
なお、標準的な接種は生後5か月〜8か月の間に行うこととされています。
ワクチンで予防できる疾病
結核
疾病について/ワクチン接種の効果
結核とは?
結核は、結核菌によって発生する感染症です。
結核菌は主に肺の内部で増えるため、咳、痰、発熱、呼吸困難等、風邪のような症状が出ることが多いですが、肺以外の臓器、腎臓、リンパ節、骨、脳など身体のあらゆる部分に影響が及ぶことがあります。
特に、小児では症状が現れにくく、全身に及ぶ重篤な結核につながりやすいため、注意が必要です。
<ワクチン接種の効果>
BCGワクチンは結核を予防するために接種するワクチンです。
その効果は、乳幼児期にBCGを接種することにより、結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防することができると報告されています(Colditz et al, 1995)。
また、一度BCGワクチンを接種すれば、その効果は10~15年程度続くと考えられています。
参考サイト:厚生労働省ホームページ
ワクチンを接種する部位
BCGワクチンは、上腕外側のほぼ中央部に接種するものとされています。その他の部位への接種は、医薬品・医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(薬機法)上認められていません。
また、肩の部分に接種を行うと、ケロイドを生じやすいことが報告されています。
ワクチン接種のスケジュール
生後5か月〜8か月の期間に1回の接種を行います。
ただし、地域における結核の発生状況等の事情により異なる場合があります。
ワクチンを接種することにより、重篤な疾患の予防ができます。
スケジュール通り進められなくても、ご調整いたしますのでお気軽にご相談ください。
ワクチン接種後の副反応
・BCG接種後2週間くらい経つと針の跡が赤くなったり、その後に膿ができてかさぶたを作ることがあります。このような反応は一般的に見られるものであり、特に接種後5~6週ごろに最も強く現れるとされています。このような反応は特に心配いりませんが、まれに大きな膿になるなど、治療が必要になることもあります。
・ただし、反応がでる時期には注意が必要です。これらの反応が接種後7〜10日以内(多くの場合は3日以内)にでたら、すでに結核菌に感染している(コッホ現象)可能性もあるため、すぐ医療機関に相談してください。
・BCGワクチンを接種した後、わきの下や足のつけ根など(リンパ節)がはれたり、全身の皮膚症状などの比較的軽度な反応は一定の頻度で見られます。
・きわめてまれにアナフィラキシー*1、骨炎、全身播種性BCG感染症*2 がおこることがあるといわれています。
*1 アナフィラキシー:急激なアレルギーにより、じんましんができたり呼吸が苦しくなったりします。
*2 全身播種性 BCG感染症:ワクチンが原因で、重い症状の結核のような状態になってしまいます。
各種ワクチン接種後のご注意
・接種直後、30分程度は、医療機関内もしくはすぐ近くでお子さ んの様子を観察しましょう。すぐに医師と連絡がとれるようにしていてください。 この間に急な体の変化がおこることがあります。
・帰宅後もはげしく体を動かすことはさけ、接種個所をきれいに保ってあげましょう。
・おふろには入れてもかまいませんが、接種個所をこすらないでください。