2023.08.17

3か月健診とは?|3か月児健康診査の内容や準備すべきもの

3か月健診は、赤ちゃんの健康状態や発達をチェックし、健やかな成長をサポートするために実施されます。しかし「どんな検査をするの?」「持ち物や服装は?」など、さまざまな不安がありますよね。

本記事では、3か月健診の内容や、当日の持ち物、服装を解説します。健診の流れや、でかける前にやっておいた方がよいことも紹介しているので、参考にしてください。

目次

乳幼児健診(乳幼児健康診査)とは?|目的や実施時期

3か月健診は、健康の維持と増進を目的とする乳幼児健診のひとつで母子保健法に基づいた健診です。正式名称は「乳幼児健康診査」といい、生後月齢や年齢に分けて実施されています。

乳幼児健診は、法定健診と、それ以外の2種類に分けられます。母子保健法に基づいて定められているのは、以下の2回です。

  • 1歳6か月児健康診査
  • 3歳児健康診査

それ以外の健診は、母子保健法で「市町村は必要に応じ、妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して、健康診査を行い、又は健康診査を受けることを勧奨しなければならない。」とされ、一般に以下の時期に行われることが多いようです。

  • 1か月
  • 3〜4か月
  • 6〜7か月
  • 9〜10か月

健診の時期は法律で定められておらず、市町村など各自治体により、実施の有無や時期にばらつきがあります。

3か月健診と4か月健診?どっち?

各自治体では「3か月健診」に相当するものを「4か月健診」としているケースもありますし、あるいは「3〜4か月」と幅を設けていることもあります。

生後6か月まで受診できるなど期間の幅があるケースも多く、健診を受ける具体的な時期は、ある程度保護者の判断に委ねられます。

期間内であれば、いつ健診を受けても問題ないケースがほとんどです。何か心配な点があって早く医師に相談したいと思っているなら、早めに健診を受けるとよいでしょう。

3か月健診とは?|費用や実施場所

3か月健診の概要を確認しましょう。目的、費用、場所について解説します。

3か月児健康診査の目的

3か月児健康診査の主な目的は、赤ちゃんの発育や健康状態を確認し、早期に対応が必要な場合を見逃さないことです。

また、子育ての課題や疑問に対して、医師や栄養士などが相談を受けてくれます。

不安が小さいうちにサポートを受ければ、赤ちゃんの発育を良好に保ちやすく、保護者も安心して子育てしやすくなるでしょう。

3か月健診にかかる費用はいくら?

3か月児健康診査は、法的に義務付けられたものではありませんが、多くの自治体が実施しています。

自治体が実施していれば、基本的には無料です。また、自治体が直接実施しなくても、助成金を利用すれば、費用を抑えて受診できるでしょう。

3か月健診はどこで行われる?

3か月児健康診査は、自治体の公共施設や保険センターなどで集団で行われる場合も多くあります。

一方で、個別に実施する場合は、指定の医療機関で実施されます。各自治体の方針によって、実施場所や方法が異なるので、お住まいの自治体のホームページなどで確認してください。

3か月健診の内容

3か月健診では、さまざまな視点から赤ちゃんの健康状態をチェックします。内容は以下の通りです。

  • 体重・身長の測定
  • 視覚や聴覚のチェック
  • 首のすわりや股関節の確認
  • 育児の悩みについての相談
  • 赤ちゃんの普段の生活についての問診

問診では、「赤ちゃんは1日に何回授乳していますか?」「夜間の睡眠はどの程度取っていますか?」など生活の様子を質問されるでしょう。

なお、自治体によって実施内容が異なりますので、具体的な内容はホームページなどで確認してください。

3か月健診でよく保護者が医師に相談していることは?

3か月健診は、育児の疑問や不安を解消するための機会でもあります。以下に、保護者が医師によく相談する質問や悩みの例を紹介します。

  • 便秘など排便に関する相談
  • 成長は順調か
  • 睡眠が足りているか
  • 皮膚トラブルのケア方法
  • ミルクの量が適切か
  • 抜け毛や髪の生え方に問題はないか
  • 首のすわりがまだ完全ではないが大丈夫か

これらは一例ですが、保護者の方々は、日々の育児から病気の心配まで、さまざまな質問をしています。何か気になることがあれば、どんなことでも医師に聞いてみましょう。

3か月児健康診査に行くまでに家庭でしておいた方がよいこと

健診に行く前に、家庭で備えていくことをいくつか紹介します。

  • 質問をまとめておく
  • 発達状況をメモしておく
  • 発疹や風邪の症状がないか確認する

このような準備を行うことで、健診をスムーズに進められるでしょう。

3か月健診を受けるまでの流れ

乳幼児の健康診査は自治体により実施方法や日程が異なるので、ご自身の居住地の情報を基に準備しましょう。

多くの場合には、自治体から受診票や案内が送られてきて、記載されている日時と場所で健診を受けます。自宅近くの診療所や保健センター、集団健診が行われる公共施設等で行われることが多いようです。

健診前には赤ちゃんの体調を確認し、問診票に必要な情報を記入しておくとスムーズです。

予約制の場合もありますので、その際は指定された日時に遅れずにいきましょう。

3か月健診に持って行くもの

3か月健診では、一般的に以下のようなものを持参することが推奨されています。

  • 母子手帳
  • 受診票・問診票・アンケート
  • 健康保険証
  • 筆記用具・メモ帳
  • タオル
  • おむつ
  • 赤ちゃんの着替え
  • ビニール袋(汚れたおむつなどを入れるため)
  • ミルク・授乳に必要なもの(哺乳瓶、粉ミルクなど)
  • お気に入りのおもちゃ(赤ちゃんを落ち着かせるため)
  • 保護者の飲み物

飲み物など以外は、前日までに揃えておくと、当日慌てずに健診にのぞめるでしょう。

3か月健診に適した服装

健診では、度々着脱を繰り返すので、脱ぎ着が楽な服装が適しています。前開きのカバーオールがおすすめで、肌着も前開きのものを選ぶと便利です。

寒い時期は、脱ぎ気に手間取らないように肌着と外側のカバーオールを、一度に着せたり脱がせたりできるようにしておきましょう。

快適な健診のために、赤ちゃんがストレスを感じないような服装選びを心がけましょう。

3か月健診に関するよくある質問

 3か月健診についての疑問や質問は、いろいろありますよね。以下に、よくある質問とその回答をまとめました。

3か月健診は必ず受けなくてはなりませんか?

生後3ヶ月になると、体重は生まれたときの2倍になります。首がすわってくる赤ちゃんもいますし、発達の大きな節目です。

3か月健診は法的な義務ではありませんが、赤ちゃんの成長や発育状況を確認し、早期に異常を見つける機会です。

健診に行かない場合には、自治体の職員から連絡や訪問があるケースもありますが、できるかぎり受けることをおすすめします。

3か月健診に行く場合、ベビーカーと抱っこ紐、どちらがおすすめですか?

ベビーカーは荷物を多く運べて便利ですが、狭い場所や階段がある場合には抱っこ紐の方が移動が楽かもしれません。移動手段や健診場所の状況に合わせて選ぶとよいでしょう。

3か月健診の所要時間はどれくらいですか?

所要時間は受診する医療機関やその日の混雑状況によりますが、2時間程度をみておくとよいでしょう。

3か月健診で医師に厳しいことを言われました。気にした方がいいですか?

医師のアドバイスは、あくまで参考の一つです。指摘内容はしっかりと受け止めて、自分自身の育児方法に反映させていきましょう。

しかし、それが自分や赤ちゃんのストレスに繋がるのであれば、深刻に受け止めすぎるのも問題です。専門家の意見をさらに求める、または信頼できる人々へ相談するなどしてみましょう。

一つの意見に囚われすぎないことも大切です。

3か月健診の内容を理解して積極的に健診を受けましょう

3か月健診は、赤ちゃんが健やかに育っているかどうかを確認するために行われます。また、発達と栄養状況を確認し先天的な疾患を早期に見つけ出すための機会でもあります。

さらに、子育ての悩みや疑問を医師や栄養士などの専門家に相談できますので、保護者は子育ての疑問解消のきっかけとなるでしょう。

3か月健診は、自治体が開催していれば、原則無料で受けられます。各自治体のホームページや、案内に従って受診しましょう。

監修医師

古東麻悠(ことう・まゆ)

順天堂大学医学部卒業。途上国医療に関心を持ち、学生時代よりアジア・アフリカ各国の保健指導、巡回診療に参画。子どもたちのトータルサポートを目指し、小児科医として働きながらNPO法人very50、NPO法人Ubdobe(現株式会社デジリハ)のメディカルアドバイザーを兼務。現在は都内総合周産期病院にて新生児科医として勤務。一児の母。