2023.07.25

1ヶ月健診とは?|1か月児健康診査のチェック内容や準備すべきもの

乳幼児の1ヶ月健診は、赤ちゃんの体重や身長などの発達や健康状態を把握するために実施されます。

「何を検査するの?」「持っていくべきものは?」など、初めて迎える1ヶ月健診では、さまざまな不安がありますよね。

本記事では、「1か月児健康診査」で知っておくべき情報をまとめました。1ヶ月健診のチェック内容や、1ヶ月健診で多い質問も紹介しているので参考にしてみてください。

目次

1ヶ月健診とは?乳幼児健診の行われる時期や費用を紹介

1ヶ月健診は、赤ちゃんが問題なく育っているかを確認する重要な健診です。

正式名所は「1か月児健康診査」で、乳幼児健診(乳幼児健康診査)の健診名のひとつです。1ヶ月健診に関する概要を解説します。

1ヶ月健診は義務?乳幼児健診(乳幼児健康診査)が行われる時期

乳幼児健診は、1ヶ月、3〜4ヶ月、6〜7ヶ月、9〜10ヶ月、1歳6ヶ月、3歳などのタイミングが一般的です。

法的に義務づけられている健診は1歳6ヶ月と3歳ですが、多くの自治体では1〜10ヶ月間でも健診を実施しています。

1ヶ月健診については、法的な義務は設けられていませんが、出産後の赤ちゃんの健康状態を把握するため、ほぼすべての乳児が1ヶ月健診を受けているようです。

1ヶ月健診が行われる場所

1ヶ月健診の実施場所は、出産を担当した病院が一般的です。

しかし、病院によって、赤ちゃんは小児科で、母親は産科での診察が実施されることもあります。また、母親と赤ちゃんの健診が異なる日程で実施される場合もあります。

退院の際に1ヶ月健診の詳細な案内があるので、日時や場所などを確認しておきましょう。

1ヶ月健診の目的

1ヶ月健診には、赤ちゃんの成長が適切か、健康上の問題がないかを検査する目的があります。

赤ちゃんの身体計測や先天性疾患を早期発見するためにも健診は大切です。

1ヶ月健診にかかる費用

1ヶ月健診は法的な義務がないため、基本的に費用は自己負担です。

医療施設によりますが、費用は3,000〜5,000円ほどで、10,000円以内でおさまります。

また、自治体によっては助成金があり、健診費用を一部または全額補助してくれます。費用が無料になるか、数百円程度に抑えられるので、事前に居住地の自治体の制度を調べておきましょう。

1ヶ月健診の内容

1ヶ月健診では、赤ちゃんだけでなく、お母さんの健康状態も健診します。

また、1ヶ月健診の内容は医療機関によって、実施しない検査があったり具体的な健診内容が変わったりする場合もあります。

1ヶ月健診の内容について、赤ちゃんとお母さんに分けて解説します。

1ヶ月健診で赤ちゃんについて確認すること

赤ちゃんの健診の主な項目は以下のとおりです。

  • 体重・身長などの測定…「問題なく大きくなっているか」
  • 目(視覚)など体に異常はないか…「原始反射が正常に見られるか」
  • 全身の検査…「病気や先天性の障がいはないか」
  • 問診…「日常での様子は問題ないか」

また、新生児出血症を予防するために病院によっては、1カ月健診のタイミングで3回目のビタミンK2シロップを内服することがあります。ビタミンK2は、母乳では不足しやすい重要な栄養素なので、投与が推奨されています。

1ヶ月健診でお母さんについて確認すること

1ヶ月健診でお母さんについて実施される検査項目は下記のとおりです。

  • 尿検査や血圧の測定…「尿タンパクがでていないか、血圧は正常か」
  • 子宮の状態の検査…「会陰部分が回復しているか、子宮内に血液が溜まっていないか」
  • 胸(乳房)の状態…「赤ちゃんが問題なくお乳を飲めているか」
  • 精神状態…「ストレスをためすぎていないか、周囲からサポートは適切か」

母親の心身の健康状態を確認するために実施するので、抱えている問題や不安は何でも相談しましょう。

1ヶ月健診を受けるまでの流れ

出産した病院を退院する際に、1ヶ月健診について案内がおこなわれます。

健診が行われる日時や場所、必要な持ち物などが説明されるので、案内にしたがって、受診を予定しましょう。

1ヶ月健診に持って行くもの

一般的な1ヶ月健診に必要な主な持ち物は以下の通りです。

  • 母子手帳
  • 健康保険証
  • 乳幼児医療証
  • 診察券
  • オツムとおしりふき
  • 着替え
  • 哺乳瓶やミルク
  • バスタオル

万が一のことがあった場合を想定して準備しましょう。また、病院によって必要なものが異なるため、あらかじめ詳細を確認しておいてください。

1ヶ月健診に適した服装

1ヶ月健診では、母子ともに、適切な服装を選びましょう。「母親」と「赤ちゃん」それぞれの最適な服装を解説します。

赤ちゃんにぴったりな服装

赤ちゃんの服装は、家で過ごすときと同じ服装が適しています。病院の室内はエアコンで比較的あたたかい温度が保たれていて、赤ちゃんは暑くなりやすいです。

厚着をせず、普段の服装で受診してください。

寒い季節の場合は、着脱が簡単なアウターやバスタオルなどのおくるみを使うなど、赤ちゃんの体温に合わせて調整できる服装を選びましょう。

健診では赤ちゃんの体重を測るため、すぐに脱げるような服装を選ぶと、スムーズに健診を進められます。

お母さんにぴったりな服装

お母さんの服装は、着脱が簡単なスカートやワンピースがおすすめです。

また、授乳の様子も観察する場合があるので、授乳しやすい服装、例えば前開きのトップスを選ぶと良いでしょう。

さらに、内診によりわずかな出血があることもあります。そのため、ナプキンをひとつ持参することをおすすめします。

1ヶ月健診に関するよくある質問

1ヶ月健診に関するよくある質問をまとめました。

1ヶ月健診に保険証や乳児医療証は必要ですか?

健診は自己負担の診療なので、保険証や乳児医療証の提示は不要です。

しかし、薬が処方される場合には、保険証がないと10割負担で初診料がかかってしまいます。一時的に立て替えなくてもすむように、念のため持参しましょう。

1ヶ月健診は受付から診察終了までどれくらいの時間がかかりますか?

1ヶ月健診は通常1〜2時間程度かかります。

時間がかかるため、赤ちゃんの予備の衣服やオムツ等の用意が必要です。

1ヶ月健診でどんなことを質問したらいいかわかりません。他の親はどんな質問をしていますか?

1ヶ月健診では、湿疹がある、顔が黄色くなっている、ミルクを吐く、便がでないなど、赤ちゃんやお母さんの状態に対する不安点を質問しましょう。

1ヶ月健診へは母子だけで行く予定です。付き添いなしで行くのは恥ずかしいことですか?

母子だけで1ヶ月健診に来ることは珍しいことではありません。医療スタッフがサポートします。

1ヶ月健診へは絶対に行かなくてはいけませんか?

法的な義務はありませんが、産後1ヶ月は不安が大きい時期です。できれば受診をおすすめします。

法的な義務はないけれど1ヶ月健診は大切な健診

1ヶ月健診は、お母さんの産後の状態や赤ちゃんの成長と発達、健康状態を確認するために行われます。

赤ちゃんが順調に成長しているかを確認する重要な健診です。法的な義務はありませんが、ほとんどの方が1ヶ月健診を受けています。

出産後、病院から日時や場所の案内があります。案内に沿って受診しましょう。

また、1ヶ月健診では以下の持ち物が必要です。

  • 母子手帳
  • 健康保険証
  • 乳幼児医療証
  • 診察券
  • オツムとおしりふき
  • 着替え
  • 哺乳瓶やミルク
  • バスタオル

不明な点や困っていることがあれば、遠慮せず医師に相談しましょう。

監修医師

古東麻悠(ことう・まゆ)

順天堂大学医学部卒業。途上国医療に関心を持ち、学生時代よりアジア・アフリカ各国の保健指導、巡回診療に参画。子どもたちのトータルサポートを目指し、小児科医として働きながらNPO法人very50、NPO法人Ubdobe(現株式会社デジリハ)のメディカルアドバイザーを兼務。現在は都内総合周産期病院にて新生児科医として勤務。一児の母。